学園長は暫し腕を組み、渋い顔をする。



「そんな事したら後先が厄介だ。長老たちがうるさい」



詩ノ森学園を築き上げ導いた、今だトップに君臨する存在。学園長である草薙和希は度々、報告を義務づけられている。



「そんなにうるさいの?」



風の噂でちらっと耳にした事があるくらいの御言が尋ねると、和希は深いため息を吐く。



「一回報告を忘れた事があったんだが、長時間の説教と仕事を増やされたからな。難題のやつだから、徹夜でやった」

「……おれが想像したのより、悠かに大変そうだね」

「ああ、だから盟約式は遅らせない。ただし、時間短縮でやる」

「了解」



学園長の部屋でこんなやり取りがあった後、御言と和希は部屋を後にした。