詩の始まり。



Et in aeternum (somnia) omnes
(すべては永遠(ユメ)のために)



蒼の世界が揺れる。



ざわつきは一層大きくなり、幻想は深くなる。



『綺麗ね。さすが、選択者(アナタ)が選んだ事だけある。少女(イレギュラー)もいるみたいだけど――面白いわ』

「ああ、綺麗で鋭いのが旭の詩だからな。少女?」

『あなたは人だものね。妖精は瞳がいいから。なにかしら……不思議な子』

「アナスタシアが言うなら、真実なのだろうな」



和希はそう呟き考える。アナスタシアは滅多に姿を現す事もなければ、何も語らない妖精。ならばきっと、意味のある事なのだろう。



Fairy (tuis) omnes
(妖精(アナタ)は私のすべて)



旭の詩が響き渡る。が、今だ姿はみえない。