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お風呂場から2人の話す声が聞こえてくる。
なんだか穏やかな気持ちになって微笑んだ。
『一緒にはいろー遊乃!』と我が妹の我が儘に付き合ってくれた遊乃ちゃん。
もうここまで来ると涙しそうなほどに申し訳ない気持ちだ。
『遊乃ちゃん、いい子だね。宙の言ってた通り…いや、それ以上。宙が何でも話したくなる気持ちいいわかるなぁ』
さっきの裏表激しい友人からの電話を思い出した。
『大事にしなよ』
『わかってるよー』
途中まで普通だった奏は、その時だけ真剣だった。
苑はあまり感じていないかもしれないけど。
人の多い場所ではすごい人見知りを発揮し、顔見知りさえも遠ざける。
そんな、とんでもない臆病な性格の持ち主…
それが妹、苑。
そんなのが今まで不登校にならずに学校に通えているのは、遊乃ちゃんのお陰。