それから、どれくらい経ったのだろうか?
私はその空間とにらめっこを続けていた。

どちらかが動けばこの一時的な安寧は終わる、そう予感していた。


私が息を飲むだけでその安寧は一気に崩されることになる。
呼吸もままならなかった。


一時間、二時間…いや、永遠にも思えるこの時間。
意外にその静寂を切り裂いたのは『音』だった。


ぎしっ…ぎぎっ、ぎぎぎっ。
微かだが、先程から聞き覚えがある音。

音の正体はゆりかごの軋みだった。