ポチャン






「はぁ…」







疲れた。







結局言えなかったよ。







いいとこまで来たのにな。







もう上がろっと。






「はぁ…」







下着姿になる私を鏡が写す。







「なんでこうなるのかな…」







上手くいかないもんなのかな。







すると







「きゃあああー!!!!」







びっくりして尻もちをついてしまった私の横を通り過ぎたのは虫さんだった。







うー、私虫苦手なんだよ!







逃げたい、のに腰が…。







「果歩!?」







「そっ、そらぁー」







私は空に慌てて抱きつく。






こんな時に虫なんてありえないよー。







しかも結構でかかったし!






「あ、ばか!ひっつくな」






「うーっ」







怖いよ。







…。







「…空?」






空が、ぎゅってしてくれた…。






「虫だろ?怖かったな」






「うぅ」






「根性あるくせに昔から虫だけは苦手だったよな」







「…うん、」







「…でもこの状況、かなりやばいんだけどな」







「へっ!」






私は手をぱっと離す。







あっ、わわ、私…。






「ちょっ、見ないでっ」






近くにあったバスタオルで体を隠す。







「と言われても…」







「…な、なによ」







「そっちから抱きついてきたんだろ」







「仕方なかったもん!」







「あっそ。胸押し付けてきたくせに」







「わわ、」







「しかも意外とでけ…」







「出てってー!!空のバカー!変態!!!」







私はめいいっぱい叫んだ。