「はい、じゃあ空は卵係ね!」
「なんだよそれ」
「こうやって卵をふわふわに焦げないようにフライパンで焼くの」
「ふっ、なめんなよ」
「はいやってみてねー」
「へいへい」
空は真剣に私がお手本を見せた通りに手を進める。
「空、色々我慢してるんだよね…」
「あ?」
上手くいかないのか少しイライラする空。
「前に言ってたじゃん。何を我慢してるの?」
「そういやそんな話したな」
「で、なにを?」
「なんでその話し今持ち出すんだよ」
「べっつにーぃ」
「でも、果歩が望むなら俺は…」
「え?」
「うわ!焦げた!」
「はぁー!?ちょっとー!」
その焦げた卵をなんとかチキンライスの上に乗せる。
「これ空のだからねー?」
「なんでだよ!俺そっちがいいし」
「やだやだやだー、焦げてるもん!」
「俺の愛情捨てる気か?」
「ふっ、なに愛情って」
「この卵に愛情注いだ」
「…そう。なら…貰おうかな」
「よっしゃ」
まあ今日くらい、いっか。
「よし食べよっ」
「あぁ」