屋上についたらもう空はいた。






空を眺めていた。







「…果歩」







「…うん」






私は空と向き合う。






「あのね、話したいことあって…」







「…あぁ」







「…私ね、考えたんだ。空の為に何がしてあげられるかなって」







「…」







「けど…なんにも分からなかった。今までの事振り返ったらさ、私はなんにもできなくて、ただ空を困らせてただけなんだなって思って。空が私の事好きじゃないのもう分かってるんだ。けど」








「何言ってんだよ!」







「…空?」







空が叫んでる。






「バカか!俺は好きじゃない奴の傍にはいない」







「…」







「果歩が好きだから、こうして今も会ってんだろ」







「でも、だって昨日…」







「俺は好きなんてひとことも言ってない」







「言ってたもん!」







「言ってねーよ!」







「言った!」







「告白されて、断った」







「嘘だよ!」







聞いたんだもん、







俺も好きなんだけど、って。







「俺は、もう好きな人がいるってちゃんと言った」







「え…」







「それなのに果歩、俺がもう好きじゃないとか飽きたとか散々言いたいこといいやがって」







なんで?







私聞いたもん。







…もしかしてあの時…。







『俺もう好きな人いるんだけど』






そう言ったの?







「話したい事ってなんだよ、別れ話か?」







「えっ、いや…」







「ふざけんな。俺は別れる気ねーから」







「…もう、何よそれ」







ばか…。






結局私の勘違い、だったんだね…。