「どうしたの、突然改まって」
問いかける淳也に答える。
「淳也が今言ったよね、上手くいく可能性は高くないって。
その通りだと思ったからもう一つ策を用意したの」
「策って?」
「私が囮になるの」
一呼吸後、抗議の声が教室に響きわたった。
「そんなの俺がさせねぇからな」
なんとか静まった教室に低い将の声。
睨むような眼差しの将に慌てて補足説明をする。
「別に一人で先陣きって飛びだそうって訳じゃなくて、一番の矢面にたつのが私ってこと」
「それ以前の問題だ、お前は女だろ。村田は俺らを強くしてくれるだけで充分だ」
女―――――?
その言葉に将の瞳を真っ向から見返した。
「女だからなんなの、女だから危ないことするなって?ふざけないでくれる」