「はい、注目ー!今日は作戦を考えてきましたー」
「ほんとに?どんなの?」
放課後、みんなと言っても今日は美月は用事でここにはいない。
残ったメンバーに言い放った言葉に一番食いつきが早かったのは淳也。
「作戦って言っても奇襲くらいしかないじゃん」
「波瑠、人が言おうとしてること先取りしない」
お姉さん虚しいから、辛いから。
虚しさを紛らすようにこほんと咳払いを一つ。
と、淳也が難しい顔をした。
「奇襲は良いけど上手くいく可能性は高くはないよね」
「は?なんで?」
怪訝な顔の将に淳也が例の紙束を鞄から取り出した。
「ほらここ、黒夜は情報収集が得意なんでしょ?だったら俺らの行動なんて完璧に読まれてるかも」
「そこは大丈夫なんじゃね?俺らみたいな小さい族のことなんて誰も気にしてねぇよ」
身も蓋もない将の意見だけどそれも一理ある。
でも何が起きるかは分からない。
弱いなら弱いなりに作戦は万全を尽くす必要がある。
「それに加えてみんなにもう一つ提案」