それもそのはず、私の放った左足の蹴りが相手の左くるぶしにめり込んだのだから。
これでも一応手加減はしたよ?右足じゃなくて左足で蹴ってあげたし。
乱れた長い黒髪とスカートを手で軽く整える。
周りがざわめく中電車は静かに私の目的の駅でとまった。
辺りに軽く会釈をしながら未だ痛みに悶える痴漢をその場に捨て置き電車から降りる。
そこでたまたま目についた駅員さんにさっきのことを報告
慌てた様子で駅員さんが痴漢のいる車両へと駆け寄った隙に私は改札を抜けた。
ごめんなさい、駅員さん。面倒事は苦手なの。
少し進んで振り返って心の中で軽く謝り携帯を取りだし時間を確認
時間はおし気味、ちょっと急がないとね。
同じ学校の制服を着てる人たちが歩く道を早歩きで私も歩きだした。