駅から10分程の学校の昇降口で叫び声があがった。
「えー!二年生!?」
うるさっ。
耳元で大声をだした犯人の頭をはたく
周りの人が何事かとこちらを伺っている。
犯人………もとい美月は小さく「いたっ」と抗議するけどしったことではない。
誰のせいで今私たちが白い目で見られてると思ってるのよ。
「え、逆に知らなかったんだ。おもしろ」
「知らないよっ、今スリッパの色見て知ったんだもん………ねぇ未優!?」
「私は知ってたけど」
波留にキャンキャン言っていた美月が私に話をふってきたのでそれを冷たく突き放した。
サラリと毒を混ぜてくる波留はどうやら毒舌らしい。
それを軽く流した美月も美月だけど。
「んじゃ放課後迎え行くから」
将がそう言って二年の教室がある二階への階段を上がり淳也と波留も「また後で」と言い残し追いかけるように去っていった。
「じゃあ私達も教室に行かないとね」
未だにスリッパショックに固まる美月の肩を叩いた。