「あれ、なんで私の携帯がそんなところに」


「昨日未優がカフェに置いてったんでしょー。もういくら慌ててたからって携帯忘れるなんて考えられない!命よりも大切なものを」


「いや私は命の方が大切だから」



携帯依存症気味の美月にそう言い捨てさっさと電車に乗り込む。


あぁ、今日も満員だ。


もとからギュウギュウの車両にさらに乗り込むんだから狭いのなんのって。


朝から憂鬱になる電車の中、美月と人の波に押しつぶされていると不意に震えた私の携帯。


なによ、と電源をいれると《後ろ》とだけ書かれたメッセージ。


振り返れば見上げる位置に見覚えのある顔が3つ並んでいる。