なにか紙、紙。
メモをとるための紙を探すためゴソゴソカバンの中を漁る私の手に当たったのは四角い冷たいもの。
ん?
掴んで手を引き抜くとそれは私の携帯
あれ、なんでこんなところに……あ、そっか。朝時間見てカバンに放り込んだんだっけ。
何気なく携帯の電源を入れた私は思わず携帯をテーブルの上に取り落とした。
カシャンと音をたてたそれを将が拾い上げる。
「村田、落とした………って不在着信すごっ」
「え!?ちょっと貸してっ」
私の携帯が将から美月の手に渡ったがショックで私はなんの反応も示すことができない。
「ちょ、ちょっと未優っおじさんからめちゃくちゃかかってきてるよ!」
おじさん、その一言で私の頭は一気に覚醒
カバンをひっつかんでガタッと席を立つ。
「ごめん、私帰るっ。今日はごちそうさまでした、将にはるとにしずやありがとう!」
私がバタバタ慌ただしく店をでた後
「村田、結局誰一人名前覚えてないじゃん」
はるとこと、波瑠が呟いた言葉にしずやこと、淳也が肩を落とした。