「ずっと、君にはお礼と、あと謝りたかったんだ…

あの時は助けてくれて本当にありがとう…

それと、僕を庇った所為で君に怪我させてしまって本当にごめんッ」



あぁ、そうだった。

私は彼を庇って怪我をしたんだ。


でも、何でだろう?

確かに、危ないと思うと身体が勝手に動いてしまう体質だけど、あの時、別の何かを感じたんだ…


彼は生きなくてはいけないとか、


たまたま触れてくれた手が懐かしかったとか、


初めて会ったのに変な感じがしたんだ。


何故か愛おし気持ちになった。



私が考え込んでいると強くテーブルが叩かれ、その上にのっていた湯のみは倒れてしまった。



「ちょっ、百合香?」


突然の百合香の行動に彼等も、私も驚いた。


真面目でクールそうな彼と一番小さい男の子は慌てて溢れたお茶を拭いた