あの子とは、丁度一年前


大会に出場するために東京に訪れた僕等は会場前で事故に巻き込まれた。


暴走した車は容赦なく人込みの中を走り抜け、僕等の方にも突っ込んできた。


慌てて僕等は逃げたが運悪く僕を追いかけるように車は走った。


到底、走る車に逃げ切れるわけもなく、焦った僕はそこで足がもつれて転んでしまった。


終わった、


と、諦めた時


危ない!と僕の腕を引っ張った彼女が目の前で引かれてしまったのだ。


その時はもう、何が起こったのかもわからなくて


ただ、血を流す彼女を見ている事しかできなかった。