次の月曜日、肩より長かった髪を顎のラインで切り揃えて出社したらみんな話し掛けてくるくる。
初芝さんの
「どうしたの?失恋?」
という無神経でいて正解な問いかけには
「それってセクハラですよ」と答えておいた。
部長も、おっ?!という顔をしていたが、渋いと思っていた顔ももうただのスケベ顔にしか見えなかった。
上原くんは、何か物を言いたげにチラッチラッとこっちを見てくる。
やっぱり私に気があるのかな?
耳を覆う髪を指で耳の上に流す。
すると部長がまた近付いてくる。
サインでもなんでもないんですけど。
「柴崎くん。髪が短いとまたサッパリした感じで素敵じゃないか」
ぞぞっと鳥肌が立った。
"素敵"とか口にしちゃう人に、ついこの間まで夢中だったなんて。
こっちはもうサッパリ別れたいんですけど。
別れ話持ってきたのはそっちでしょう。
部長の手が肩に伸びてくる。