»ピンポーン«

「ひっ…ひゃああ!?」

びびびびっくりした…。
流石にこのタイミングは心臓が…

タン、タン、タン、タン
カスタネットのように母が階段をのぼってくる音が聞こえる。
いつもより何倍も短い音に感じる。

ガチャ
ドアが開いた

「ここあ~?智佑ちゃん迎えに来てくれたわよ~…えっ…ちょっと!ここあそそその格好は…な…なに…?」

流石にお母さん、驚いてる。
そりゃそうだ、今までおさげメガネでスカート膝下の格好しかしたことなかったのだから。

「その…怒るかもって思って黙ってたんだけどわた…あたし、高校デビューするのっ…!」

お母さんは目と口を大きく開けたまま固まっている。

沈黙の時間が流れた。




…気まずい。



「…いいんじゃない?」

「え?」

いいんじゃない?って、えっ?え、なに?

「いいんじゃないかな。
可愛いと思うよ。
補導されない程度ならお母さん何も言わないわ。」

お母さん!!

「お母さ~ん泣
あ“り“か“と“う“ぅ“~」

いっぱいいろんな気持ちが溢れたけど
やっぱり一番は嬉しい。
それでつい涙が出ちゃった笑