広菜はさっさと屋上に行ってしまった。


ああ、行きたくない…。


お弁当を持ち、嫌がる体を無理やり引きずって教室を出ると、誰かにぶつかった。


「ひゃっ…ごめんなさい」

「いえっ…こちらこそ…って、伊藤さんじゃん!」

「あれ?前田くん…」


――ドキッ


あああっダメダメ!なにがドキッよ!


「伊藤さん、今からお昼?」

「そ、そうですけど」

「…ほんとに?」

「えっ?なにが?」

「…いや、何でもないよっ!行ってらっしゃーい♪」