そして夏陽くんは、私の耳元に顔を近づけて、


「好きだよ、唯」


そうささやいて走っていってしまった。



「夏陽くんのばかぁ……」


そう呟いて夏陽くんの背中を見送る。


真っ赤になって熱くなった私の顔を夏の涼しい風が冷ました。



end