隣から手が伸びてきたかと思ったら、叶真に頭を撫でられた。
こんなこともされたことなかったあたしはギョッとする。
楽しみにしてたなんて、頭撫でながら言うの反則でしょ。
なんか今日の叶真はおかしいよ。
「あ、味の保証はしないからっ」
どうしていいのかわからずに、ついこんなこと言っちゃうあたし。
「頼んだのは俺だから、少しくらい不味くても食べてやるよ」
購買で飲み物買ってくると教室を出た叶真と中庭で待ち合わせすることにした。
不味くても食べてくれるのかな、本当に。
冗談だとしてもそうやって言ってくれたことは嬉しかった。
叶真には絶対にそんなこと言えないけど。
あたしも中庭に行こうとお弁当箱が入った手提げ袋を持って教室を出る。