言い返してやりたい気持ちをグッと堪えていたあたしに夏帆が寄ってきた。



「何勘違いしてんの？

乃愛じゃなくて、俺はおまえ等に言ったんだけど」



夏帆が今から文句を言ってやろうとしていたところに叶真のそんな声がした。



思わずまた振り向くと、さっきより少し不機嫌そうな叶真がそこにはいた。



な、なんで叶真があたしなんかを助けること言ってるの？



「ちょっと～、冗談キツイって！

望月さんを助けるとか叶真らしくないじゃん」



「そうだよ。柊君はみんなに平等でしょ？」



「らしくないって何だよ。

おまえ等には確かに平等に接してるけど」