「いってきまーす!」
結構早起きしたのに、出るのギリギリになっちゃった。
学校まで走りながら、手提げバッグを大事に両手で抱える。
初めて作ったし上手くできてるかはわからないけど、大空君は喜んでくれるかな。
叶真も見たらなんて言うんだろう。
でも、これは大空君のためにだもんね!
そう心で思っても、叶真がなんて言ってくれるのかってどこかで期待する自分がいる。
「おっはよ~!」
昇降口について、上履きに履き換えていると夏帆がやってきた。
「おはよう」
「私よりいつも早い乃愛がこんな時間にいるの珍しいね?」
隣で靴を履き換える夏帆になんて答えようか迷った。