叶真に初めて会った夜に見たあの顔だ。
学校では絶対に見られない。
きっとこれは大空君のことを思って出る笑顔なんだ。
叶真の笑顔にドキドキして、うるさく鳴り始めるあたしの胸。
あたしには意地悪に笑う顔しか見せないのに。
叶真にとって大空君は、とても特別な存在なんだって、この顔を見ればわかる。
大空君にとっては誰よりも優しいお兄ちゃんなんだね。
「大空君、お弁当楽しみだね」
「うん! すっごく楽しみ!」
無邪気に笑った大空君とそんな大空君を大事にしてる叶真。
2人のためにあたしで力になれることがあるなら、今回くらいは頑張ってみてもいいのかな。