「キャラ弁作ってあげるよ」



「え……?」



あたしの言葉が意外だったのか、叶真が大きく目を見開いた。



「言っとくけど、叶真のためじゃなくて、大空君のためだから」



本当は、叶真が大変なんだっていうことを今日初めて知って、少しでも力になれるのならって思った。



なんて、口が裂けてもこんなこと言えないけど。



「マジで助かる。俺、キャラ弁なんて作ったことねぇし、ネットとか見ててもよくわかんなくてさ。

でも、普段は我が儘言わない大空が運動会があるからってリクエストしてきて。

そういうのってやっぱ叶えてやりたいじゃん?」



あ……。この顔。



柔らかく笑った叶真。