「運動会~♪ お弁当~♪」



スーパーからの帰り道。



不思議なオリジナルの歌を口ずさむ大空君を間に挟んで夜道を歩く。



「運動会あるの?」



楽しく歌を口ずさむ大空君に尋ねると、ニコニコしながら大きく頷いた。



「お兄ちゃんがキャラ弁作ってくれるの!」



どこかで聞いたことのあるセリフにあたしは首を傾げる。



何も言わずに叶真を見ると、一瞬だけ合った目が横へ逃げていった。



「学校で言ってたこと、大空君のことだったの?」



聞いてみると、叶真は困ったように笑って短く「あぁ」と答えた。



それならそうと言ってくれたらよかったのに。



理由もなく「キャラ弁作れ」なんて言うから意味わかんなかったし。