俯いて長い髪が垂れてるせいで表情は分からないけど、きっと真っ赤になってるはず。







そんな事があったなんて、知らなかった。



可愛い舞花は小学生の頃はよく嫌がらせを受けていて、そんな子達から守るのは私の役目だったのに。

いつそんな事があったんだろう?



中学からは、逆にその可愛いさが女子からも人気で嫌がらせとかは無かった。



「そういうことだから!せい君には秘密だからね!」


恥ずかしそうに人差し指を口に当ててシーっというポーズをとった舞花に私は微笑んだ。




「もちろん、2人の秘密だよ」



私も同じようにシーっと人差し指を口に当てると舞花はホッとした表情になって笑った。




「あのさ…ななは「はーい、席について下さーい」



舞花が何かを言いかけた時、タイミング悪く先生が中に入ってきた。

「え、なに?舞花」



「ううん、なんでもない」


舞花はブンブンと首を振って苦笑いをしていた。

「そ、お?」


とりあえず私も席に着いて前を向く。
何を言いかけたのかな、舞花。


漫画のようなタイミングの悪さにはぁ、とため息がでた。