「なんだ、お前ら前後かよ」


いつの間にかこっち来ていたせい。


「まぁね〜、そういえば結人来ないね?」


あんな調子だから絶対こっちに来ると思ったんだけどなー。
ドアを見つめるけど結人の姿は一向に見えない。




「何?結人が心配なの?あんなに大丈夫とか言ってたのに」



クスッとせいがおかしそうに笑った。


「や、だって!流石に幼馴染だもん。少しは心配にだってなるよ…」



結人がせいなら素直に心配できるけど、いつも言い合いしてる結人となると素直に心配なんて恥ずかしくてできない。


なんでかな〜?同じ幼馴染なのに〜。


「ふ〜ん…。まぁ、似た者同士だからな。お前ら」


「に、似てないよ?!」



すかさずせいに反論する。
私が結人と同知能レベルなんて、信じたくないし!!



「…せい君。ゆい君可哀想だよ」


上目遣いでせいを困ったように見つめる舞花。
せいはハハっと笑って舞花の頭を撫でた。


「わぁ!」



「舞花は優しいな、誰かと違って」

せいは舞花を優しく見つめた後、ちらっとこっちを向いてニヤッと笑った。


嬉しそうな顔をする舞花とは対照に、私はカチンときた。


「どういうこと?私が優しくないって?」


絶対、誰かと違ってって私しかいないでしょ。いつもそうだけど。

「誰もななとは言ってないだろ?被害妄想〜」


「はぁ?ムカつく〜!あんたも結人も〜」


私はムウっとした顔でせいを睨んだ。