薄いグレーの瞳に柔らかな表情、上品な洋画に出てきそうなマダム、といった感じだろうか?
口さえ開かなければっ!!
「初めまして!アナタが姫ちゃんね!!噂どおり、ホントにお人形さんみたいだわ~」
「優弥君も写真で見るよりオトコマエだし、優希君は童顔で可愛いし!!」
そう、このマリーさん……しゃべるしゃべる。
しかも流暢な日本語だから余計に違和感がぬぐえない。
が、おかげで聞かなくてもマリーさんについていろいろ知ることが出来たからいいって事で。
マリーさんはオヤジの会社で秘書兼通訳をしている、と。
以前日本にも来た事があり、夢奈さんとも面識あり。
今回の転勤が決まったので是非に、とマリーさんが管理している隣の空き家を貸してくれることになった、などなど。
「今日は美味しいグラタン作るからね~優希ちゃんの好物なんでしょ??」
「やったぁ~!!!まりーさん大好き!!」
手を繋いで去ってゆく二人を見ながら……俺も歩き出す。隣には夢奈さん。
「姫ちゃんやったね♪本場のグラタンなんてママ幸せ」
結局「食」かよっ!!
しかもグラタンってイタリアンじゃなかったっけか??
まいっか。俺も腹減ってるし。
「明日は学校見に行こうね♪」
そう言われて思い出す。
学校なんてすっかり忘れてた。とか言ったらヤバイ??
ゴメンナサイ……なんつーか旅行気分でした。
真面目に中学へ進学する和樹にもゴメンナサイ。
どんな奴らがいるんだろうな?
結構楽しみだったりしてっ!!!