見上げると……俺達の乗る便の案内が出ている。
時間だ。
「和兄ぃ?手紙書いてね」
涙目の優希がいつの間にかそこにいる。
和樹は、ぽふっと頭を叩くと笑顔でにっこり頷いていた。
「和樹君、本当にありがとね!夏には帰ってくるようにするから♪」
みんなお揃いでカワイイわね~なんて言ってるが、そう思ってるのは夢奈さんだけだと俺は思うよ?
そんな夢奈ママの気遣い。
夏……ってあとどんだけ先だよ。その頃には和樹は中学で全然違う生活してるんだろうな。
「じゃ、夏にな」
それが合図。
俺達は入り口に向かってい……
「ちょっと待ったぁ!!!」
っておい、何事!?
見ると智也が叫んでいた。
「も~智也はすぐに忘れちゃうんだから」
「俺……ダメ男だな」
二人の手によって例の大きな包みを渡される。
「見ていいの?」
「もち!!」
顔を見合わせて言う二人。