あれから
10分くらい過ぎた。


俺はベッドに横なったまま。


俺の部屋からはリビングにいる母さんとつなみの会話は聞こえてこない。

多分
相当重い空気になってるに違いない。


時計だけこの部屋で一定のリズムで時を刻んでいる。


外からは
子供達が大きな声をあげながら走り回っている音だけが聞こえる。

「静かだ…」


そう呟いた瞬間
2階から誰かが駆け登ってくる音が聞こえた。


誰だろ?

まさか
つなみ…?


どうやって話たらいいんだろ?


妙な緊張感のせいで体を起こしジッとドアの方を見つめた。


やがて
足音は俺の部屋の前で止まった。


ガチャ。


「おーい。お兄ちゃん?」


半開きのドアの隙間から聞こえてきた声は妹のものだった。


ふぅ~。
何だか一気に緊張がほどけた。


「どうしたんだよ?つーかノックぐらいしろ」