季節は夏

蝉の鳴き声が響く中

学生ならではの季節体育

「いや〜プールっていいよね〜水着!」

「塾の奴が言っていたが私服の高校、スクール水着が無いからビキニらしいぞ」

「え!!!なにそれ!!」

ギャーギャーと騒ぐ色黒のこいつと

「転校しろ、そのほーが静かでいい」

冷静に真顔で喋るこいつらは
よく一緒にいるめんつ。
「かいとも女子の水着見ろよ〜!」

「かいとまで巻き込むな」

うるせー奴ら…

ギャーギャーと言い合うこいつらを
シカトして水から上がると
「え?なにその余裕!!もしかしてかいと。澤田と…!!」

「なに!かいと、ほんとか?」

あーーー。

「うるせー!おれのことはいんだよ!真面目に授業受けてろ!」

二人の質問攻めに痺れを切らし
澤田がいないか女子のほうを
確認すると、澤田は見学していた。

「あれー?澤田見学じゃん!まさか…せい…」

皆まで言わせるか!
鉄拳を色黒の武田に喰らわせて
着替えに戻った。



帰りの玄関で武田が
「てかよ〜前から聞きたかったんだけど、かいとって目青いよな〜!オヤジさん外人??」



……「しらねぇよ…」


きっと俺の目は冷めていただろ。
そのまま玄関をあとにした…。


「おい、、あいつをめぐみさん一人で育ててんの知ってんだろ。」

冷静な柳原が遠目でかいとを見つめる。

「だってよ〜目青いし、まつ毛も眉毛も金髪って気になるじゃんよ〜!したの毛もまさか…」

くぉぉらぁぁあたけだぁぁぁ
てめー日サロ行って焼いてるって
ほんとかぁぁあ!!!

体育のマツケン先生が武田めがけて
走ってくる。

「うぉ!やっべ!逃げるわ!かいとにすまねーて謝っといて!」

マツケンと武田の鬼ごっこが
始まった。はぁとため息をこぼして
柳原がかいとを追いかける。





「仕方ないやつだよ。まーあいつが言ったこと気にするなよ」

「べつにきにしてねーよ…」

柳原と武田。
俺の外見気にせず入学当時
声を掛けてくれた奴等。
武田の性格上悪気があったわけじゃない
それをフォローする柳原がいるから
俺たちは友達でいられる。


「そーいや澤田の病欠って理由聞いたことあるの?」


「いや、しらねえ」


見学のことか。

「でも万が一のために理由聞いといたほうがいんじゃないか?ヤバイ病気とかも可能性あるかもしれないし」

そーいや俺澤田のことなんも聞いてねー
家族構成は母ちゃんが聞き出したことだ


俺。彼氏なのに…。


「親父さんのことはいいとしても。」


…あぁ。わかってる。

柳原なりの背中おしってやつかよ。

「あぁ、聞いてみる。」