圭人はあたしがわかってる事を知ったうえで、あんな風に聞いてくるのだ。 ほんとにズルい優男だと思う。 それでも、そんな彼があたしは好きだし、それは今も昔も変わっていない。 「…圭人の為になる事をする」 あたしが呟くように言った言葉を聞いて、圭人があたしの手を少し強く握った事を、あたしは当然知っている。