「就活生」


あたしは圭人から目をそらして、小さく毒づいた。


「もう内定決まったから違うよ」

「じゃあ、やっぱり社会人じゃん」


圭人は「まあね」と呟いたきり、黙ってしまった。


雨がふりそうな、どんよりとした空。


だけど、あたし達の足は公園に向かっていた。