慌てて視線をそらして、彼の絵をもう一度見た。 何度見ても上手な絵。 プロの人が描いたみたい。 「俺、」 あたしは、坂上くんの絵が好きだ。 「俺、田中さんが好きだよ」 坂上くんのズルい言葉に、あたしは黙って頷いた。 -「秋の夕暮れ、美術室。」完-