坂上くんの見てる世界は、黒一色でもこんなにも美しいのかと思った。


「上手だね」


あたしの口からは、こんな平凡な言葉しか出なかったけど、本当にそう思ったのだ。


「ありがとう」


坂上くんは、あたしの横に立ってそう言った。