坂上くんは「はい」とあたしに紙を手渡した。


紙には、窓の外を見つめるあたしが描かれていた。


黒一色の絵だけれど、色の濃淡や坂上くんの画力のおかげか、あたしの目にはその絵がカラーで見えた気がした。


髪一本から服のしわ、影や細部にいたるまで。

この絵は坂上くんの世界だと思った。