「…あのさ、すげー空気読めないこと言っていい?」






しばらくして、恭介が口を開いた。



「…なに?」



「……怖いんで座ってもいいですか」







そう言われて気づいたけれど、観覧車はもうかなり上の方まで上がってきていた。


そういえば観覧車怖いんじゃん、恭介。


それでも私を追いかけてきてくれたことが嬉しい。





「あはは、カッコ悪ー」


「…ごめんなさい」





並んで座って、顔を見合わせて笑った。


小さくなっていく夜の景色は、宝石みたいに綺麗だ。