「ありがとう。…ごめんね、こんな情けないところを見せちゃって」
昔もそうだったな…
麻結に頼って、助けてもらうばっかりだ。
本当、情けない…
なのに、麻結は
「そんな事ないですよ。寧ろ嬉しいです、こうやって話してくれるの。」
と言ってまた微笑んだ。
「嬉しい…?」
「はい!私なんかに出来る事なんて少ないですし…全然お役に立てないかもしれないですけど、…それでも話を聞く事は出来ますし、こうやって悩みを話してくれるのは嬉しいですよ。」
「そう…かな…」
いや、でも…
“私なんかに”じゃなくて
麻結だから話せるんだろうな。
弱いところも含めて俺の事を見てほしいって気持ちがどっかにあるんだと思う。
…でもやっぱ、カッコ悪いとこ見せてばっかだから
ちょっと悔しいけど…
…ん、
てか、麻結の前でカッコいいところ見せれた事なんかあったっけ…?
つい考えていると、麻結は思い付いたように言った。
「あ、でも今回は私だけじゃないですから!対談、あるんですよね?」
対談っていうと…
「篠宮先輩のこと?」
「はい!きっと晶さんなら何とかしてくれます!…多分!」
多分という割には、何故か自信があるようにも見える麻結。
そういや、下の名前で「晶さん」って呼んでるし…2人、何かあるのか…?