俺がポツポツと話している時も
麻結は真剣に聞いてくれた。



「同じグループで、しかもリーダーやってるやつが、事務所を辞めたいって言い出してさ。

…俺が原因なんだ。だから、なんでこんなことになったんだろうって自分を責めたし、どうやって説得していいのか分からなくて…ずっと悩んでた。始めは。」



「始めは…?」


首を傾げる麻結。


「うん。…そんな時に…たった昨日の話でまだショックを受けてるくらいなんだけど……

マネージャーにソロで活動しないかって言われてさ。勿論そんなの嫌だけど、事務所的には俺がソロに行った方が他のメンバーが活躍出来るからって…」




「えぇ!?…ひ、ひどい…そんな事ある訳ないです!!!」


俺が説明し終わると、麻結は少し声を震わせながら声を上げた。



「部外者の私が偉そうに言える事じゃないと思いますけど…他のメンバーの活躍の為に…なんておかしいです…!
個人個人がもっと意識を高めたら、少しでも変わるかもしれないですし…





なにより、一輝先輩が犠牲になる事なんか無いですよ。」



少し置いてから、最後は、ふわりとした微笑みを向けてくれた。