「バカだな、七歌は。俺がお前から離れるわけねぇじゃん」



 まだ気づかないわけ?



 俺がどれだけ七歌に惚れてんのか。




「俺が七歌を好きになって何年か分かるか?」



 なるべく優しく問いかける俺に七歌は戸惑っている。



 そんな七歌が可愛くて抱きしめる強さを強めた。




「ずっとだよ。ずっと……」



「…………ずっと……?」



「あぁ。物心がついた時にはもう好きだった」