「……1人じゃねぇよ。彼女待ってるから」



 ああいうわざと甘い声を出す女が嫌いな俺は冷たくそう言い放った。



 するとさっきまでにこにこしていた女集団は一気に顔を歪めて今にも泣きそうな表現を浮かべている。



 あ~ぁ。めんどくさい奴ら。




 そう思って辺りを見渡してみたら……。



「あっ」



 向こうにある時計台の近くのイスに座っている七歌を見つけた。



 だから俺は女集団を完全に無視して七歌のいる方に向かった。