カインは背も高く、少しワイルドだけれど外見は申し分ない。
もちろんモテないはずはなく、町の女性達にとても人気があった。
今日も朝早くからカインと会う為に、宿屋の前を何人かの女性が通っては楽しそうに話をしている。

「おはよう、カイン。今日も精が出るわね」

その女性達の中でも、武器屋の娘であるサリルはどうやら本気でカインの事が好きなようで、毎朝のようにこの宿屋に来ていた。

「おうサリル。なんかいい武器入った?」
「明日入る予定よ。もし良かったら見にいらして?明日は剣を中心に入ってくるはずだから、何かお気に入りのものが見つかるかも」
「いいね、見に行くよ」

カインも戦士として戦っていたからか、サリルとは話が合うようで楽しく会話している。
話に入っていけず、自分の髪を弄っているメルダをサリルはちらっと見る。

「あら、ごめんなさい。メルダさんもいたのね。挨拶もしないでごめんなさいね?」

と少し棘のある言い方をしてきた。少しむっとしてしまう。

「いいえ、別にお構いなく」

メルダはそう言うと宿屋の中へと入った。