連れて来られたのは、道具屋の二階の部屋だった。
どうやらカインはこの街に来て、道具屋の主人と仲良くなり勇者の仲間だったと説明すると、パレードが良く見える部屋を案内されたらしい。
部屋に入ると、メルダは降ろされる。
「ど、どうしてここに・・・」
「どうせ叶わないなら、しっかり勇者を見てそしてお前の気持ちを叫べ。そうしたら少しはお前もスッキリするんじゃないか?」
「な・・・なんでそんなこと・・・。恥ずかしいわ・・・」
「こんなに外はうるさいんだ。お前が少し叫んだところでどうにもならないさ。それでも、言わないよりは言った方がいいと思うぞ?」