保健室へと向かう、廊下を歩いている間、私はずっと愛華の言った言葉を思い出していた。

“青木がずっと一緒にいてくれるなんて、ありえない。”


ナオにいつか彼女ができてしまったら、私はどうなるのだろう。

毎日一人で登校して、電車に乗らなければいけなくなる。

よりによって、男性が一番多い車両にのってしまったら、どうしよう。


・・・でも、それよりも。


愛華が、

“青木だってね、モテなくはないのよ?そのうちに、彼女でも作って、あんたなんか邪魔になる。”

そう言ったときは、私は胸に痛みを覚えた。


えぐられるような、烈しい痛み。

ナオも、いつか彼女を作っちゃうの?

ナオも、いつか彼女とキスするの?

ナオも、ナオも・・・・。

醜い感情がわきあがってくる。それを振り払うかのように、私は頭を振った。


「・・、失礼します」

保健室にたどり着いた私は、静かに扉を開けると、小声で呟く。


「・・先生、いないっ」

あまりの嬉しさに、よっしゃっとガッツポーズをすると、そそくさとベッド向かう。


「誰もいないーっ」

わくわくするような緊張感に駆られながら、私は思い切りベッドにダイブ。

ベッドインした私は、早速眠りにつこうと潜って目を閉じた。