男女共通の学校だと、いろいろ大変なことが多いけれど、男の人と話したいと思ったことは無い。


それに、この症状を治したいという思いは、毛頭無かった。


「あ、小夜。明日小夜ん家に寄ってくよ。おばさんにも会いたいしね」

「あ、うん!」


ナオさえ居ればいい。

本気でそう思っている。


話せる男の人も、ナオだけでいい。

手を繋げる人も、ナオだけでいい。


街中で二人並んで遊ぶのも、ナオだけでいい。


彼氏なんかいらない。

男友達なんてもっといらない。


ナオだけいればいい。

ナオが傍にいるだけで、私は幸せだ。


ナオの広い背中を見つめながら、私は本気でそう思っていた。