2月。 寒さなんて関係ない。 そんなことを感じさせる集中力だった。 丁寧な動作で丁寧に弓を引いていく。 弦をめいいっぱい引いて狙いをつけた。 ぱあんっ 的にあたるイメージは十分にできていた はずだった。 飛ばした矢は的の少し右に外れる。 私は軽く息をついた。 「…戻んないなあ」