▼自覚 そんな私をみてどう思ったのか、私の頭上でクスッと笑ったのが分かった。 「私の恋愛対象は────」 「澪?」 突如、澪の名を綺麗な、鈴を転がしたような音で呼ぶ声が聞こえた。 「しらゆき‥‥‥‥」 え? 今まで聞いたことが無いくらい低い‥‥‥‥‥‥‥ううん。甘いテノールボイス、多分今のがきっと澪の地声。 それで、しらゆきと誰かを呼んだ澪の声が耳にこだました。