この感じたことのない不思議な感覚を取り払うように、一年間親友をしていて、未だに聞いたことがなかった質問を澪にぶつける。
「澪はさ、男の子と女の子
どっちが恋愛対象なの?」
少し食い気味に質問した私に驚いたのか、
大きな目をさらに大きくする澪。
ずっと気になってたんだよね。
だけどなんだか聞けなくて。
だけど、こんなの聞くだけ無駄かぁ。
だって澪は女の子になりたいから女装してるんだろうし。
当然男の子が好きにきまってる。
「ごめん澪。今の質問忘れて」
残りのクレープを勢いよく口に押し込んで、買っておいたお茶で流し込む。
そういえば澪の恋愛相談とか聞いたことないよね、、
そんなことをぼんやりと考えていれば、隣からふと伸びてきた手。
そのまま意外にも骨ばった綺麗な指は、私の髪を耳にかけると、
「瑠花、こっち向いて」
色っぽい声でそんな風に言ってきたんだ。