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家へとつくなり、とりあえず冷えたでしょ?
風呂入ってきな。
って言われたから素直に入らせてもらうことにした。
お風呂から上がれば、澪の姿は無くて、家のなかを探せば、ソファで寝ている澪の姿があった。
「つかれたのかな?」
こんな寒空の下、きっと私を探してくれていた。
暖房が入っているからだいぶ暖かくなっているけど、さっきは澪の指先がすごく冷たかった。
そしてやはり、その薬指には、細いシルバーペアリング。
誰との指輪なの?
無防備な寝顔を見ていれば、この寝顔を他にも知っている女の子がいるのかもしれない。そんな事を思って泣けてくる。
「‥‥‥‥‥‥‥‥ズ、」
気づかれないように静かに鼻をすする。
澪、離れたくないよ。離さないでよ。
他の女の子に興味をもってほしくない。
私より大切な人がもう出来ちゃったの?
色々不安で、ききたいけどきけなくて、黒い感情と不安に押しつぶされそうだ。
「また、泣いてるの」
ハッと顔を上げれば、澪は起きていて、私の頰に手を伸ばした。