▼女装男子(市倉 澪)
「澪(ミオ)〜っ、聞いてぇえぇ」
「どしたの?瑠花」
私は学校へ登校して来るなり親友の澪に抱きついた。
その甘い香りのする胸に抱きとめられて、顔を上げれば視界いっぱいにうつる澪の可愛すぎる位に可愛いキューティーフェイス。
‥‥‥‥‥‥今日もびっくりするくらい可愛いな、ちくしょう。
その大きなアーモンドアイをキョトンとさせながら、私の顔を心配そうに覗き込む澪を見ているうちに、じわじわと目尻に涙がたまってゆく。
「えっ?ちょ‥‥‥‥‥‥瑠花?」
「っうわああああんっ!澪〜っまた振られちゃったよぉ〜」
「‥‥‥‥‥‥ともや先輩に?」
「っひ、うんっ‥‥‥」
そうしてふたたび、悲しさからか、せつなさからか、惨めさからか、よくわかんないけどなみだが溢れてきて、それを私の頭をナデナデしながら澪は、優しく拭ってくれるんだ。
そして
「大丈夫だよ、瑠花。
瑠花にはもっと素敵な人必ずいるんだから
ほら、泣き止んで?」
そう言って私をぎゅうっと抱きしめてくれるんだ。
「‥‥‥‥‥‥うん‥‥っ」